住宅や生活製品から最先端エレクトロニクスまで、様々な分野で活躍している旭化成グループ。 電子部品研究所は、私たちでなければ生み出せない 「 新たな付加価値を持つ電子部品 」 の研究開発を目的として、2003年3月に設立されました。
ユビキタスネットワーク、ユビキタス社会と言われるように、現在私たちの身の回りは、 さまざまなコンピュータや携帯電話に代表される情報機器で溢れています。 自動車などもコンピュータ化が進み、そこにはさまざまなセンサが搭載される時代となりました。 センサ信号の奥に潜んでいるものを引き出し、生活に必要な情報として提供するためには、 コンピュータ上でセンサ信号の情報を的確に処理するソフトウエアの役割がますます重要になっているのです。
私たちは、従来のような 『 センサデバイス 』 の開発を行うのではなく、センサとコンピュータを最適に インターフェースする、信号処理ハードウエア(アーキテクチャ)と情報処理ソフトウエア(アルゴリズム) を総合的に提供する 『 センサシステム 』 の研究開発をしています。
これまでセンサに求められていたのは、主に物理量や化学量を電気信号へ変換する、 トランスデューサとしての役割だったと言えます。 だから、変換効率(=感度)が高いセンサほど良いと考えられたのでしょう。 代表的なものとして、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、光センサなどが知られています。 重力や振動を検知する加速度センサや、磁気センサも同じです。
もうすぐ実現するユビキタス社会。ユビキタスツールとして使われる情報機器には、 これまで以上に人間の意思をくみ取り、柔軟なサービスを提供する機能が求められています。 そのためには、今までにない新しいセンサが必要となるのです。
物理量や化学量を単に電気信号へ変換して終わるのではなく、 そのセンサ信号の中から人間生活に役立つものを引き出して、 ユーザがうまく活用できる情報へ変換してから提供する。 そんな新しいコンセプトを、私たちは 『 S-cube Sensor System 』 と呼んでいます。 『 S-cube 』 によって実現する、新しいアプリケーションサービス。 旭化成は、そのための研究と開発を進めています。
いまセンサに一番求められているのは、どんな性能でしょう。
高い感度でしょうか。
広いダイナミックレンジでしょうか。 それとも、小型化や低消費電力化でしょうか。
どれも重要な性能ですが、このようなスペックシートに書かれる数値性能だけでセンサの価値が決まるわけではありません。
測りたい環境や欲しい情報、つまりアプリケーションによってセンサに求められる内容(ユーザの二ーズ)は大きく変わります。
測る目的によって最適なセンサは違うのです。
だから私たちは、まず数値性能が自慢のセンサを開発し、その後でそれが使える市場を探すというような、 従来の開発プロセスを脱却することから始めました。センサそのものの性能を発想の起点にするのではなく、 アプリケーションを想定し、測りたい環境条件を考慮して、まずそこから欲しい情報を抽出するための アルゴリズムを工夫することから始めます。その中で必要とされる、信号処理に最適なアーキテクチャをIC回路として設計し、 その上で最適なセンサを選択する、それが私たちのポリシーです。
「センサの性能を上げる」のではなく、「センサで測る目的は何か」を第一に考えることで、ユーザアプリケーションが 求める技術を先取りして開発する、 柔らかな、一歩先ゆくセンシングソリューションを提供します。